お灸
古代の歴史
中国の古代文献にて、お灸は今から凡そ2千数百年前、北方民族の独特の医療として芽生え、その後インドに渡り仏教医学として研究発達して来たと言われています。
特に、 中国北方民族の人たちは、素朴な生活体験の中から、人間の生涯というものをグローバルにとらえて、生まれたときは赤ん坊、即ち熱の塊から徐々に年老いて冷たくなり、硬く動かなくんるものとしてとらえられていました。
そこで、こうした熱から冷去への移行を少しでも抑止し、火熱の摂取または維持によって少しでも長生きをするために考え出されたのが「お灸」です。 中国のタクラマカン砂漠や、インドのダイインド砂漠など、不毛の地とされているところでも、わずかなオアシスのほとりには必ず、お灸の原料となる「よもぎ」が地に生えています。 (お灸に使われる「もぐさ」の原料がよもぎです。) この生命力の高い植物に依って病気の治療をすることを考え付いたのが、お灸の始まりだとされています。
2000年以上も前に生まれた中国最古の医学書「黄帝内経」は、2011年ユネスコの世界記憶遺産に選定されましたが、その中にはもちろんお灸についても記されています。
というのもお灸による治療法は、この時代にほぼ現在のカタチが完成していたといわれているほど古くから行なわれているのです。
お灸はヒトのカラダに点在するツボによもぎの葉の裏の綿毛だけをとり出したもぐさを置き、火をつけて、ツボをあたためることで血行をよくし、ヒトが持っている自分で治そうとするチカラ、自然治癒力を高めて、カラダにおこっている症状を改善します。
今のようにレントゲンもMRIもなかった時代、カラダの内部は未知の世界、そこでおこっている症状もわかりません。
手でカラダをさすったり、押したりしているうちに、カラダの中でおこる症状がやわらぐポイントがあることがわかり、試行錯誤をくり返し、集大成されたのがお灸のツボ。
ツボはお灸による治療法の根本とされています。
このお灸が日本に伝えられたのは奈良時代、仏教とともに中国から伝えられました。
そして、お灸は明治に、政府によって日本の医療を西洋医学とするという決定まで、1000年をはるかに越えて、漢方と共に長く日本の医療を支えてきたのです。
西洋医学は症状をひきおこしている原因を手術で取りのぞくことで解決をはかります。外科手術をよくし、感染症などにも強く、世界の医療と位置づけられてきました。
しかし、近年になって、慢性疾患への対応や、世界的に高齢化社会へと向かうなか、予防医学の必要性が見えてきました。治療としての医療から予防医学、未病への取組みが必要とされるようになり、2000年以上も前から病気がおこる以前の未病の段階で治療することをめざしてきたお灸をはじめ、東洋医学が今、世界の注目を集めているのです。
お灸の適応症状
お灸の出番はたくさんあります
妊活にとって大敵「冷え」対策に!
とにかく冷えを感じやすい女性
特段妊活を考えている方におすすめです
まずは体を温めるところからですね
自律神経を整える!
身体を温めることで調整される自律神経系
冷えていると、交感神経が優位になり過ぎます
そんな時に有効的に働いてくれます
気虚(ききょ)の状態
「気」が不足している状態です。「気」とは動かす力、エネルギーのこと。
精神的、肉体的にエネルギー不足の状態なので疲れやすい、冷える、意欲が低下しやすいなどの傾向がある。
血虚(けっきょ)の状態
「血」が不足している状態です。「血」とは栄養のこと。
血虚タイプは、乾燥しやすく栄養不足の状態になり、お肌がくすむ、髪、爪のつやがなくなるのが特徴です。
腎虚(じんきょ)の状態
加齢によるカラダの変化をコントロールする機能が低下している状態です。
赤ちゃんを授かりやすいカラダをつくるには、生殖機能にかかわる腎の強化が大切です。
年齢を重ねるごとに低下する傾向にあります。まずは「腎」の機能を高めましょう。
気滞(きたい)とは?
「気」の流れがとどおこり、流れが悪くなっている状態です。
「気」とは動かす力、エネルギーのこと。
「気」は流れが悪くなると、詰まりや痛みになるため、胸やのどがつかえたり、肩コリや冷えのぼせは起こります。
瘀血(おけつ)のたまった状態
カラダの血液のめぐりがとどおこり、血行が悪くなっている状態です。
生理のとき、痛み止めを飲まないといられない痛みがある人は、要注意。
子宮周辺の血流のめぐりが悪くなっているかもしれません。
水滞(すいたい)の状態
「水」の流れがとどおこり、余分な水分が溜まって、むくみが生じている状態です。
足がむくむ、冷える、胃もたれしやすい、食べていないのに太るなどの症状がでるほか、「水」が貯まって冷えることで、婦人科系の病気にかかりやすくなります。
こんな状態の方にはお灸は力を発揮してくれるでしょう
一度自分の状態を客観的に観察してみることも、必要かもしれませんね